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COBOL技術者の憂鬱

COBOLプログラマは不在にしています

関西オープンソース2008(Google Chrome完全技術解説/Rubyビジネスコモンズ)

前半の続きです。

Google Chrome完全技術解説(及川卓也氏)


3コマ目はやはりこれに出てしまいました。
1コマ目に匹敵するほどの聴講者の数でしたね。Googleの中の人が、Chromeについて語るのはこれが初めてということだそうで、そういう意味での期待感から人が集まってきているように感じました。


なぜ作ったのか?


まず冒頭で、なぜGoogleが今のこのタイミングでWebブラウザをリリースするのかということについて説明されていました。
10年前は静的な内容だったWebサイトが、現在では動的なものに変化しており、Googleの中の人たちは、ほぼ全ての業務をブラウザ上で行っているこの状況の中で、もしもフルスクラッチでWebブラウザを開発するとしたら、どんなものになるだろうか?といった実験的な試みからプロジェクトが始まったそうです。


特徴


次に、Chromeならではの特徴について、いくつか挙げられていました。


まず、検索ボックスは一つで、通常のブラウザでいうアドレスバーのみになっているという点ですね。
ここから、URLを入れてもいいし、キーワード検索もできるし、履歴やブクマの検索までできるようになっているそうです。そうすることで、ユーザーにそのリソースを意識させることなしに、使ってもらうことができるとおっしゃっていました。
このあたりはGoogleの検索サイトと同じく「UIは極力シンプルに、機能面では最大限に」という哲学を感じさせられます。


ブラウザのスタートページには、ユーザーがよく訪れるサイトを自動的に選んで9つ表示して、その隣によく使う検索サイトの検索ボックスを並列表示してくれるそうです。スタートページのカスタマイズを自動でやってくれるということでしょうか。


他には、ページ内検索が地味に便利だということも紹介されていましたが、これについてはFireFox以上に優れているなと思わされました。さすがは検索の会社だけあって、細かいところですがこだわってきますね。


あと、隠れた目玉である、タブごとにプロセスが立ち上がるという点についても、触れられていました。これは、OSの考え方をブラウザに持ち込んでいるというように説明されていたのがわかりやすかったです。
昔のWindowsは、「なんちゃってマルチタスク」だったので、よく特定のアプリがOSを巻き込んで落ちたりしたものですが、今やIEやFFなどのブラウザで同じことが起こっていて、特定のタブがブラウザを巻き込んで落ちることがあったりします。
Chromeでは、一つのタブが固まっても、他のタブに影響を与えないので、ここでもやはり地味に素晴らしい造りになっているなと思いました。ちなみに、非活性のタブは処理の優先順位が落ちるようになっていたりするらしいです。

私にとっては、普段からそんなにブラウザって落ちたりしないので、こういう点はあまり嬉しく感じないんですが、日常のほとんどの作業をブラウザ上でやっている人にとっては死活問題でしょうね。このあたりはWebアプリが今以上に一般に普及を始めると、大きなポイントとなってくるのでしょう。


内部構造


Chromeの内部構造についても、簡単に解説されていました。
AppleWebkitレンダリングエンジンに使用し、GoogleのV8をJSのエンジンに使っており、どちらもオープンソースになっています。レンダリングエンジンのグラフィック部分はSGLというAndroidでも使われているものになっているそうです。

もっと詳しく知りたければ、Chromiumというところから誰でも情報にアクセスできるようになっているので、そちらを参照してほしいとのことでした。
自前でカスタマイズしたりすることも当然できるようで、こういう世界が好きな人にはたまらないんではないでしょうか。




及川さんが最後におっしゃっていた言葉で印象に残っているのが、「Googleと競合しても、あるいはGoogleの成果物を吸収してもかまわないので、共にWebを盛り上げていきましょう」という言葉でした。会社として、ここまで大盤振る舞いで構えている、その姿勢が素晴らしいなと感じました。

セッション終了後のじゃんけん大会では、しっかりと二回連続で勝って、Chromeのコミックとボールペンを戴いてきました。このコミックは、かなりのレアアイテムらしいです。この間のTシャツといい、もらってばっかりでちょっと申し訳ないです…

このセッションを聴き終えるまでは、正直なところ「いまさら新しいブラウザなんて…」と思っていたのですが、これを機に積極的に使っていこうと思います。というか、Mac版を早くリリースして欲しいです。






さて、少し疲れてきたので、4コマ目はどのセッションにも出ずに、休憩時間に割り当てることにしました。しばらく会場をうろうろしていると、いろんな団体がブースを構えていて、まるで学生時代の文化祭のノリでしたね。そういえば、こうやって一日を通じて好きなセッションに出たり、空き時間にブラブラしたりしているこの感覚は、学生時代のものですよね。懐かしい。





Rubyビジネスコモンズ(最首氏)


Rubyビジネスコモンズという団体を運営されている方のお話だったのですが、一日を通じた全てのセッションの中で、個人的には一番興味深く感じた内容でした。


この団体では、RubyRailsについての勉強会を不定期に開催されていて、それがどういったものなのかについて話されていたことが印象に残っています。
勉強会の参加者には、会場にノートPCだけを持ってきてもらって、まずは開発環境のセットアップから始め、最終的にはRailsアプリが完成するところまでをやってしまうそうです。
全員がコーディングして帰るのがこの勉強会のオキテで、今のところ途中で脱落する方はゼロだったそうです。参加者には、商店街の電気屋のオヤジさんなど、プログラミング経験の全くない方が混じっていたり、非常に独特な雰囲気の中で行われていることが特徴であると思いました。


勉強会で使用している資料の紹介もされていたのですが、これがすばらしくよくできていて驚きました。
実際に手を動かしてコーディングしつつも、適切なタイミングでWebやプログラミングの基礎について解説が挿入されていたりするのです。
コーディングしている最中に、配列を使う場面が出てきたら、「配列とは?」というところまで下りていって解説が挿入されていました。WebAPIを叩く場面になったら、WebサーバとローカルPCの間のやり取りについての解説が入ったりとか、初心者向けと言ってしまえばそれまでなのですが、この痒いところまで十分に手が届いている感が素晴らしいと感じました。

今までRails関係の書籍を何冊か読んでみたのですが、どれもWebやプログラミングやRubyの世界をある程度理解していないと読み進めていくこと自体が困難な内容のものが多かったのですが、この勉強会の資料は本当の意味での初心者を対象に作成されており、読みやすい内容になっているなと感心しました。


また、この団体では、Rails勉強会以外にも、ビジネス勉強会というものも開催しており、技術的なこととは別に、技術をどう活かしていけばよいのかについて考えたりしているそうです。
このビジネス勉強会というものも、とても独特な内容になっていて、まず全員で集まって、想定した内容でロールプレイングしてみて、その結論を発表して、最後に現場でのプロから現実的なお話を聴いて終わりとするそうです。
この、まずとりあえずやってみて、なぜそうなるのか考えてみて、最後に実際の現場のお話を聴くというやり方は、非常に面白そうですね。


その他にも、色々とお話されていたのですが、Rubyを通して実現できることの大きさを改めて感じさせられる内容でした。
関西でも勉強会やってもらえたらいいのに…






今年は全部で4コマのセッションに参加してみたのですが、自分が参加できなかったセッションではどんなことが行われていたのか非常に気になります。セッション内容を動画などで公開されていないのが残念ですね。
とはいえ、色々な方のお話を聴くことができて非常に有意義な時間を過ごすことができました。来年以降も続けて参加していきたいと思っています。