デブサミ2011関西
Developers Summit 2011 kansai
そうそう、書こう書こうと思いながら一ヶ月近く放置していたので、慌てて書いておきます。
手元のメモを見ながら、だだっと箇条書きしてみただけなので、ちょっとこれだけでは何のことかよくわかりにくい部分もあるかと思いますが…
10年後を見据えたエンジニア像:はてなの中の人
・Webサービスの構成要素(技術・デザイン・コミュニティ管理・ビジネス)を人間の身体部位に例えて説明。
・サービスと技術は表裏一体で、サービス(欲しいもの、やりたいこと)ドリブンの時期と、技術(できること)ドリブンの時期が交互にやってくる。
・技術が得意なことは、レバレッジをきかせることができる。収益の為の仕組みを自動化できる。
・逆に、技術の苦手なことは、「技術を使う為の目的をみつけること」「精度の高い判断(スパム判定など)」「人との関係を築くこと」
・Appleの中の人の言葉「イノベーションとは、現時点での新しいモノを作ることではなく、未来に当たり前に存在しているモノを作ることだ。」
・原発事故では、あらかじめ想定していたことにしか対応できていない。なので、どこまで安全さを確かめたのか、そしてどこから先はあきらめたのかについて、きっちりと線引きして明らかにしておく必要がある。(Webの世界でも同じ)
・10年後を見据えた時に、イノベーションを起こす技術とは…「低コストによる性能向上」「大規模データの活用」「新しい価値(ページランク・iPhoneのUI・Webサービスのソーシャル化)」
・イノベーションを超える技術…バッドノウハウのライブラリ化
・サービス設計の洗練化…ユーザーのことについて考えたことは蓄積されていく。現場を信じることが大切だが、意志決定するのはディレクターのみ。
・本質的な技術を追求してアウトプットしていく
・アイデアではなく実行に価値がある、10年間実行し続けるエンジニアが生き残る
講演内容は、基調講演として当たり障りのない感じでとてもよかったです。
それとは別にして、はてなのエンジニアというと、どうしてもあの人の顔しか出てこないのは、ちょっと残念な気がしますね。もう退職されてから一年以上経つのに…
もう、会社としては、そういうスター選手のような存在は必要ないという判断なのかな。
ちょっとよくわかりませんが、個人的には、若い人達の中から、もっとキャラの立った人が飛び出してくると、面白くなってくるような気がしています。
HTML5のお話:MSの中の人
Html5でwebはどう変わるのか?
・そもそもHTML5とは何かということを、私的な立場からと、MS的な立場から説明。
・HTML5は、現時点でバズワード的な言葉になってしまっている。一時のWeb2.0のような。
・HTML5の障壁になっているIE6の話。
・W3CというHTMLの仕様を策定する団体があって、HTML4は1997年に策定された。
・W3Cは次期バージョンとして、XHTMLというのを出そうとしていたが、これにAppleやMozilaやOperaが反対して、そこから出てきた反対仕様を取り込んだのが現在のHTML5の元になっている。
・HTML5は、2011年にほぼ確定状態になっている。正式に確定するのは2014年を予定。
・セマンティック…タグに対する意味付けを厳密にしていくということ。
現在のHTMLソースで、divdivを多用しているのをやめて、articleとかtimeとかheader,footerとか、そんな感じのタグを使えるようにする。
これは、HTMLを人間だけが見るわけではなく、例えば冷蔵庫とかが解釈する場合があるので、そういう意味でも厳密にしておこうという発想からきている。
・同じように書いたら、同じように見えること…レンダリングエンジン(Trident/Webkit/Gekko/Presto)ごとの差異をなくす。
・MS的には、HTML5をWindowsネイティブアプリを作る際の手段として使えるようにしていこうとしている。
Webは今後、何かを見るためのプラットフォームから、何かを作るためのプラットフォームとなるだろう。
具体的には、Windows8で動くアプリをHTML5とJSで作れるようになったりする。
IE6の話や、「chromeなら動くんだよなぁ…」といったボヤキなど、結構、自虐ネタが多くて楽しかったです。
HTML5について、世間的にもMS的にも、なんとなくこんな感じで進んでいくんだなということが掴めただけでも、為になるお話だったと思います。
セマンティックという考え方などは、Web上のコンテンツを取得してデータベースにつっこむのを趣味にしている私なんかには、非常にありがたい話ですね。
他にも、WindowsネイティブアプリをHTML5とJSで作れるようにしていくというのは、Macアプリとの対比として考えると、とても興味深いですね。
次世代ジオロケーションサービスのお話:Y!の中の人
【A-3】次世代ジオロケーション サービスの開発手法 河合太郎 氏
・ジオロケーションサービスとは…
1.位置情報コンテンツの作成
2.メタデータ付与
3.集計・加工・表示
・次世代では…「(スマートフォンを使った)リアルタイム化」「クラウド化」「ソーシャル化」
・YOLP(yahoo open local platform)…データ+API+ストレージを提供
・ヤフーLOCOについて
・ローカルサーチAPI
・位置情報コンテンツ作成API…住所と緯度・経度の相互変換機能、文書からの位置情報抽出機能
・カセットギャラリーでユーザーデータのホスティングを提供している(全国マクドナルドの場所データなど)
・地図のプリセットスタイルはたくさん用意されており、専門家により随時更新されている
・ヒートマップ機能
・APIを利用したアプリのサンプルの説明
・ラーメン屋ヒートマップ…地図上の地区エリアをクリック→そのエリアのラーメン屋をカセットギャラリーから検索→ヒートマップ表示
・リアルタイム・マクドナルドナビ…経路探索プラグイン(任意の2点を渡すと、地図上に経路を描画できる)を使用して、1分おきに、あるいは100メートル移動したら再検索して表示
地図を使ったサービスのこれからについてのお話だったのですが、色々できるようになってきたことがわかって面白かったです。
昔は、地図を使ったWebアプリってどうしても「地図」そのものに引きずられてしまってインパクトを出すことが難しかったんですが、これだけAPI郡が充実してきたら、ちょっと突拍子も無いようなものが飛び出してきそうな予感がしてきますね。
私は今のところ全く何もアイデアが思い浮かばないのが残念ですが。
パブリッククラウドの使い方:ニフティクラウドの中と周辺の人々
[A-4] パブリッククラウドの使い方 by ニフティクラウド
・15分で全く何もないところからRailsサーバーを立ち上げる(実演)
・サーバを作る→色々セットアップする(ファイアウォールとかもちゃんと立てる)→DNSの設定→ブラウザで開く(URLで)
・60行程度のスクリプトを走らせるだけで、費用は5.8円くらいでできる
1.サーバ作成…ニフティクラウドSDK for Rubyを使う、REST APIを叩いて、スモールサーバを立ち上げる
2.セットアップ…Rubyのソースゲット&コンパイル、Railsインストール、sqlite3セットアップ、デモアプリの生成
3.DNS設定…DozensというDNS管理サービスを使う
・Dozensについて
・DNS…ホスト名とIPアドレスを相互変換する為のもの。
・DNS運用…自分で運用すると、セキュリティ問題(不正な書き換えなど)や、冗長性をもたせる為のサーバー分散化をどうするかという問題がある。また、レジストラやホスティング会社のDNS管理サービスを使うという手もあるが、よく落ちることや、設定変更にFAX送信が必要だったりとかありえない。
そこで、独立したDNS管理サービスが必要なのではないかということで、このサービスを始めた。12レコードまでは無料で、簡易なUIになっていて便利。
・まとめ
クラウド化によって、モノから開放された。つまり、これまでサーバ選定から見積もりから稟議通してとか月単位で作業していたのが、分単位での作業が可能になる。
また、サーバは作る以上に、廃棄が大変だったりするが、そのへんもボタン一発でできる。
ただし、便利になった分、リスクもあるので、そのあたりは直接質問して欲しい。
サーバを立てるって、私の感覚からすると、手元でしこしこ時間をかけて作業するといったイメージだったのですが、時代は変わったなぁという印象です。
ただ、最後の方でお話されていた「リスク」の問題もあるので、そのあたりどうなのかなぁとか。
突然データが飛んだり、アプリが止まったり、利用料金値上げされたりとか、楽した分のツケはどこかで回ってきそうな気もしています。
どのお話も、流れるよう進んでいったので全くメモ取りしていないし、内容も覚えていません。
ただ、どなたも3分半できっちりとしたLTをやられていたので驚きました。
あと、まっちゃだいふくさんとhanazukinさんってこんな人だったのかと思ったくらいです。よくお名前はお見かけするんですが…