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COBOL技術者の憂鬱

COBOLプログラマは不在にしています

アダルトビデオの面白み

「正直、AVの世界には見切りをつけ始めていたんです。
自分や加藤鷹さんが活躍していた頃はいい時代でした。まだ男優の個性を面白がってもらえたというか。
でも、だんだんとAVの作り方が変わってきたんですよ。男優の顔は撮らないし、しゃべりもうっとうしいと言われるようになった。体はパーツしか映らないから、もう男優なんて誰でもよくて、むしろ個性のない男優が求められるようになってきていた。
そうなると、僕らのようなキャラの立ったベテランは煙たがられるだけですよ(苦笑)。」

AV男優からスナックのママに転職したチョコボール向井「相手の反応を見て気持ちよくさせるのは、ベッドの上もお店も同じ」 - インタビュー - 週プレNEWS



昔の、私が思春期の頃のAVって、VHSビデオで提供されていて、一本あたり1〜2万円くらいしていたように記憶しています。
かなり高価なモノというイメージがあって、通常はレンタルビデオ屋さんで借りるモノとされていました。
当時は、監督や役者さんについても、それぞれ個性を持った人たちが活躍していた時代で、男子同級生の誰もが「この役者なら間違いない」みたいな基準を自分の中に隠し持っていたように思います。



時代は流れて、私が大人になった頃には、メディアがDVDで提供されるようになり、価格も値下がりして一本あたり2〜3千円程度で買えるようになっていました。
その頃には、監督や役者さんについても、そんなにキャラの立った人って少なくなっていましたね。
また、自分の中でも、「お気に入りの役者さん」などといったこだわりはなくなってしまい、とりあえず性欲を処理できればそれでいいや的な世界になっていったのを憶えています。



そして現在では、自宅にいながらネット経由で数百円支払うだけで、高画質な映像が視聴できる時代になりました。
毎月毎月、膨大な量のAVがリリースされ続けている状況の中で、誰が撮っていて誰が出演しているとか、もはやそういったところにこだわりを持って視聴する人は皆無に近いのではないでしょうか。
このエントリ冒頭で引用した向井氏の言葉の中に、「パーツ」という単語が出てきますが、まさに今の状況を象徴しているように思います。
監督や役者などの人的リソースから、スタジオやカメラ・照明などの物的リソースに至るまで、AVを構成する全ての要素が汎用化されてしまい、それこそパーツを組み合わせていくような感じで、大量生産できるようになってしまったのです。
もはや、職人性を持ったスタッフや、花形的な役者が活躍できる世界ではなくなってしまっているのでしょうね。



今のAV業界の構造が果たして良い状態なのか、それとも悪い状態なのか、視聴者の立場から評価するとすれば、きっと今のところはこれで良い状態なのでしょう。
けれどもAV業界から目を移して、世の中を広く見渡すと、全てが「速い、うまい、安い」といった吉野家的な価値観の中で動いていっているような気がしてならないのです。
そうなることでおそらく、人間本来が持っている「面白み」が、この世界全体から、徐々に失われつつあるのかなと、大袈裟かもしれないですがそんな風に思えてしまうのです。