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COBOL技術者の憂鬱

COBOLプログラマは不在にしています

Gene Mapper読了 コードは世界を変えるか?

『コードが世界を変える』

 

これ昔から、できるプログラマーっぽい人がよく呟いたりしますよね。
本人が本気で言っているのかどうかは定かではありませんが、隣で聞いているこちらからすると、なんかこう、背中がこそばゆくなるような、そんなわけないやろみたいな、どうも疑うような感じになってしまいます。
なんだろう、この違和感は。

うーん、これはおそらく、コードが『世界を変えている』のではなくて、『世界の見せ方を変えている』にすぎないというのが本当のところだからではないかと思うのです。

 

 

例えば、どこかの『IT化の全く進んでいない』会社でこんなことがあったとしましょう。

社長が、全社員の年間営業成績を、コンピューターを駆使することで自動出力することができないだろうかと呟いて、それを聞いたギークな人物が鮮やかな手つきでさくっとプログラミングして、結果を出力すると、そこから色んなことが見えてきました。

ただ単に、各社員の営業成績が可視化されただけではなく、そこから社員の性格や、相互の人間関係までもが明らかになってしまったのです。

数字は嘘をつかないと言いますが、そこから何を読み取るかはあくまで人間の判断に委ねられるわけであり、結局コードによって世界が変わったわけではなくって、世界の見え方が変わっただけなんですね。

 

 

世界がマトリックスのようにコードで書かれているわけではない以上、プログラマのできることなどたかがしれているのではないかと思い、残念な気持ちになることがいままで多かったのですが、最近「GeneMapper」という小説を読み終えて、ちょっとその考え方に変化が現れました。

とてもおもしろい思考の変化です。

この小説に登場する、プログラマブルな遺伝子だとか、それを操作する為のAPIだとか、それらの仕様を全てオープンにして公開すると世界はどう変わっていくのかだとか、読んでいて非常に引き込まれる要素が数多く散りばめられているのですが、そういったワクワクするような近未来感に引きずられるようにして、もしかしたらそんな世界が現実に近づいているのかもしれないのでは?と思わされてしまうリアリティに、こちらはひたすら圧倒されっぱなしでした。

まさに、コードが世界を変えてしまうんだなと、現実的な問題としてそのことを受けとめ始めている自分に気づかされます。

いやーこの小説、単純にサイバーパンキッシュな近未来SFとして消費してしまうのはとてももったいないですねー。エンジニアと名のつく職業についている全ての人々の思想に対して、深く影響を与えるほどのポテンシャルを持った作品として、自信を持っておすすめいたします。

 

 

なんか書評ブログみたいになってきたな。

 

 

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)

Gene Mapper -full build-

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Gene Mapper -core- (ジーン・マッパー コア)

Gene Mapper -core- (ジーン・マッパー コア)